ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
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近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
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2005年 10月 29日 ( 2 )
1023年 6月後編

<狐美姫の間>
 
 提灯に照らされた広間、一匹の女……いや、鬼がいた
 半人半狐の女はこちらに背を向けたまま、長い九本の尻尾をゆったりと動かして、すすり泣きを続ける
女狐「……どうして、あたしの人生っていつもこうなんだろ?
 道明が追いついたそこには、大筒を構えた翠が鋭い目をして立っていた
翠「……流星参号が、全て弾き返されました」
伽「見てた見てた、凄いねあの尻尾、あたしも欲しい!」
道「一体何が……?」
 先頭に立って刀を正眼に持つ力斗にも、女狐の発する殺意が霧のようにまとわりつく
力「バケモンか、このアマ……」
 汗が滲み、滑り落ちそうになる刀を、両手ですがりつくように掴む
女狐「目立たぬように、恨まれぬように、あたしなりに一生懸命やってきたよ、なのに……やんなっちゃうよ!
 この世の全てを憎んだような目つきが、四人を縛った
女狐「亭主が嫌いだ! あの女が嫌いだ! 世ン中が嫌いだ! 人間が嫌いだ!
 九尾の狐が絶叫するたびに、部屋の提灯が爆発するように割れる
 熱を伴なった風が吹きすさび、出撃隊は吸い込まないように口を押さえた
 女狐の目が真っ赤に燃え上がり、九本の尻尾が大蛇のように膨れ上がる

九尾吊りお紺「コーン! コーーン! 弱虫のあたしがイッチ番嫌いだあああああ!
 
 お紺が発した火炎全体攻撃の最強術<赤地獄>が、壬生川一族を焼き尽くす!
 みぞれのように降り注ぐ火炎球を振り払いながら、力斗が駆けた
力「あっちいいいい、このアマァァァァ!」
 刀を抜いて立ち向かう力斗の身体が、あっという間に巨大な尻尾に叩き潰される
道「力斗お前、頼むからもうちっと落ち着けよ……」
 断続的に四方八方から襲い掛かる尾を、薙刀で舞うように弾きながら、道明は器用に<春菜>の印を唱える
翠「あー面倒臭いですわね!」
 手足のように自由自在に降ってくる尻尾を、一本一本国友銃で撃ち落としているが、とても間に合うものではなく、少しずつ身体に傷が増えてゆく
伽「ヤバイ……ヤバイよ! あたし絶好調!」
 それまで、珍しく後方で<春菜>を唱えていた伽子が槍を振り回しながら、前に躍り出た
伽「正義の狭門陣、いっくよー!」
 いちにっさんしっごー!と槍を大回転させ、迫り来る尾をまとめて薙ぎ払う
 翠は目を見張る、今の伽子の動きが見えなかったのだ
お紺「コーーーン!
 一瞬にして九本の尾を切り裂いた伽子が、お紺に突撃した
 伽子の槍をお紺は扇で受け止め、ふたりの力が激突し、周囲に稲妻が走る
伽「正義は勝つぅぅぅ!」
お紺「お前みたいな強い人間は嫌いだあああ!
 力負けしたお紺を、伽子が切り裂く
伽「こんなとこで泣いてないで、あの世にお帰り!」
お紺「いやだああああああ!
伽「人を羨むのはもうおしまい、あなたの居場所はもうこの世にはないのよ!」
 泣き叫び暴れるお紺を、伽子の槍が追い詰める!
翠「まったく、ひとりで戦っている気なのかしら……!」
 翠の唱える<お甲>(防人の上位術)が、伽子を守り、舞う扇の一撃も彼女を傷つけられなくなる
 今、三人を守りながら戦う伽子の背中が、翠にとってこれほど頼もしく見えたことはなかった
お紺「コーン、コーン、コーーーン!
 ノドが裂けるような絶叫と共に、お紺は<赤地獄>を吐き出す
 火山弾のように降り注ぐ火炎を前に、道明の術が完成した
道「……<七・天・爆>!
 壬生川家でいまだ誰ひとりとして扱うことが出来なかった火炎系最上級術が、赤地獄の雨をも押し返す!
 光が瞬いた
お紺「いやああああああああああああああああああああ!
 九尾吊りお紺の四肢が火の粉となり、霧散してゆく
伽「ゆっくりと……おやすみなさいね」
 切なげに顔を歪める伽子の前、お紺の悲鳴が部屋に響いた

九尾吊りお紺「誰かあたしを成仏させとくれよォォォォォォ!」

 壬生川家は4015の戦勝点を得て、見事、鳥居千万宮の主を下したのであった
 
 

 疲労困憊の体だった道明が、その先に続く鳥居を発見した
道「これは……?」
伽「あれ、まだ奥があるのかな」
 そう言って、伽子はさっさと鳥居をくぐって先に向かってしまう
翠「何か嫌な予感が致しますが……って、聞いてませんわね、伽子さん」
 しぶしぶと言った様子で、翠もその後を続く
力「ふん、たいしたことない狐だったよな!」
道「いや力斗、ずっと気絶してたから
 最後に男子ふたりが追いかける
 
 そこはとても鳥居の中とは思えないほど、広々とした空間が広がっていた
 京の町の最も大きな屋敷の庭よりも大きいと思われるドーム状の広間に、巨大な魔方陣が敷かれていた
 
○「前から聞きたかったんだけど……
道「お前は……」
伽「あんたはッ!」
 道明の声を遮って、伽子が叫んだ
 間違いない、やつは父をたぶらかし、白骨城に呼び寄せた鬼たちの頭領だ
伽「朱点童子!」
道「な……!?」
 名を呼ばれた朱点童子・黄川人は口の端を釣り上げて笑うと、構わずに続けた
朱点「神々はどんな理由を付けて、キミたちに力を貸すと言ったのかな?
 翠の放った国友銃を一瞥だけで受け止め、朱点童子は語る
朱点「あいつらのことだ、その類い稀なる血を絶やすのが惜しいとでも、恩着せがましくやったのかい?
 きょとんとする伽子を押しのけて、翠が前に出る
翠「そんなの、わたくしたちが選ばれし一族だからに、決まっているじゃありませんか」
朱点「ふぅん……そのおかげでどーだ!?
 高らかに笑う朱点童子
朱点「君たち一族は安らかに眠ることもかなわず、無限に続く悪夢の中を延々とさまよい続けている
翠「……人を、まるで鬼のように」
朱点「鬼、ふふ、それどころか、まるで神々がお作り下さった人間の歴史……あるいはご本人たちの歴史、そのままにね
 朱点童子がふっと宙に浮かび上がる
伽「逃がさないよ! ここで倒してゲーム終了!」
 槍を構えて飛び上がる伽子に、朱点童子が指を鳴らす
 その瞬間、魔方陣から赤い光と共に巨大な大蛇が高波のように出現し、伽子の小さな身体に喰らいつく!
伽「ええええ!」
翠「な……!」
 小さな神社なら丸ごと呑み込んでしまいそうな蛇の化け物は、伽子の身体を弾き飛ばし、その後に緑眼で壬生川一族をねめつけた
朱点「そうそう、ボクの作った庭に入るカギは、この髪の毛! ちゃーんっと7本集めないと、ボクとは戦えないからネ! じゃッ、後はよろしく、三ツ髪
 朱点童子は凄惨な笑みを浮かべ、指を鳴らし、その姿が陽炎のように薄れてゆく
道「黄川人……お前は……」
 道明がその残光を見つめているのも束の間、三ツ髪という忌み名のオロチが壬生川一族に牙を剥いた
 力斗の<お雫>により、少しばかり体力を回復させた伽子が、豪槍構えて塔のような大きさの大蛇に挑みかかる
伽「デカけりゃ良いってモンじゃないんだからねこのバカー!」
 決して怯まない伽子の槍が巨大な鱗を引き裂き、青い血を撒き散らす
道「僕もご助力します……双・光・蘭・斬!」
 道明が大蛇に十字の傷跡を刻み込む
 皆にありったけの力士水を振りまき、援護する力斗の横で、翠が裂帛の国友銃を乱射し、全員が全員、満身の力を込めて三ツ髪に立ち向かってゆく
 
 しかし大蛇はそれでもびくともせず、その圧倒的な巨体で、一同を押し潰す

 一撃で体力の八割を奪われ、再び伽子が膝をつく
伽「そんな……この……正義は必ず、勝つのに!」
 気力で槍を構えるが、足元がふらつき、視界が霞む
 狐次郎、お紺に続く三連戦により、もう翠や力斗の技力は尽き始めている
道「……当主さまを、援護しないと……!」
 そうつぶやいて<春菜>を唱えようとする道明の動きが止まった、神気が手のひらに集まらず、霧散してしまう
 ついに術力が尽きたのだ
伽「……ハァ、ハァ……あたし、あたし、負けたくない!」
 一族の運命は、伽子に託された
 
伽「七本の髪を集めれば、朱点童子と戦えるなら、集めてやる! これがその一本目よ!」
 大蛇の腹に槍を深く突き刺し、伽子は吼える
伽「壬生川一族は、絶対、鬼なんかには負けないよ! 諦めたりしない!」
 巨大な身体を震わせて、伽子を槍ごと振り落とし、三ツ髪はそのまま伽子に頭部を叩きつけた
伽「がっ……ま、円子……!」
 他の三人が伽子を庇おうと前に立ちふさがるが、それも大蛇の尾の一薙ぎによって砂岩のごとく吹き飛ばされる
 三ツ髪は緑色に光る眼を細めて、壁を背に槍を構える伽子の前に這い寄った
伽「……あたしが死んでも……いつか、お前は、あたしたちの子らが討つ! 必ず討つんだからね!」
 毅然と叫ぶ伽子の右半身に、大蛇が貪りついた





 当主を失い、哀れ壬生川一族は京に敗走する
 
 鳥居千万宮での死闘から翌日、
 壬生川の屋敷は日ごろの騒ぎがウソのように、静まり返っていた
 

 
<壬生川家>
 
 翠は半ば放心状態で、伽子の部屋に座っていた
 目の前には、伽子が穏やかな顔で目を閉じて、布団に寝そべっていた
翠「……」
 耳を澄ませても、寝息は聞こえてこない、呼吸回数が極端に少ないのだ
 大蛇の口から吐き出されて、地面に酷く叩きつけられた時から、伽子の意識不明の重傷は続いていた
 伽子の意識はもう戻らないかもしれない、とイツ花が言っていた
翠「勝ち逃げですわよ……伽子さん……」
 結局、翠は一度も伽子を越える事はできなかった、膝の上で固めた拳が震える
英「ただいま」
 京の都から戻ってきたばかりの英雄が、翠の横に腰掛ける
 力斗と道明は、術力の使いすぎによる疲労で、泥のように眠っていた
 太陽の消えた壬生川家は、まるで月明かりが届かない森のように、静かだった
翠「ひとつだけ伽子さんに、謝らなきゃいけないことがあるのよ」
英「……ん」
翠「わたくし、一度……他の家の誰かが、養子にしてくださらないかしら、と言ったことがあるの、伽子さんの目の前で」
 そういえばそんなこともあったかな、と英雄は思い出す
翠「……冗談でも、言うべきではなかったわよね、そんなことは……わたくしも、バカだったのよ、結局……何でこんなときに、思い出すのかしら……こんなこと」
 翠が仏に罪を告白するように、つぶやいた
 英雄が穏やかに翠の頭を撫でる
英「……笑って許してくれるよ、きっと、伽ちゃんなら」
翠「わたくし、きっと嫌われていましたわ……でも、ずっと、そんなの気にしてないはずだったのに……わたくし……」
 伽子は目を覚まさない
 自責の念に満ちた翠の声を聞いて、英雄はそっとつぶやいた
英「去年の七月から、伽ちゃんが毎月欠かさずに、遺書を書いていたことは、知っていたかい」
翠「……今、初めて、聞きましたわ」
英「だよね、先月も真名姫討伐の際に、書いてない、って言い張ってたし……ま、これが今月の、鳥居千万宮に出陣する前に書かれたものさ」
 英雄は懐から一通の手紙を出すと、翠に手渡した
 戸惑いながら翠は受け取る
英「まったく……毎月毎月ボクに預けてくるんだもの、こっちは良い迷惑だったよw」
翠「読んでも……よろしいの?」
英「キミ宛てでもあるからね」
 英雄に促されて、翠はゆっくりと遺書を開く
 そこには、意外に達筆な字で、伽子の想いが綴られていた
 



『 遺書 1023年 6月版

 この手紙をみんなが読む頃には、あたしはもう生きてないでしょう
 ……毎月同じ始まり方だと、やっぱりワンパターンかな、まぁ良いやw
 
 今日はご飯が美味しかったです、おなかいっぱいで今すごく幸せです
 最近暑くなってきて、稽古のあとの水浴びが気持ち良いよね、生まれ変わるみたい!

 こんなにもあたしは壬生川家で生きています、あ、いや、生きていました!
 だからこの手紙を読んでいる頃、あたしがいなくても、
 いや、たぶん泣いたりしないだろうけれど……でも悲しまないでください
 あたしは、精一杯、最期まで後悔のないように、過ごしてしましたから……きっと!


 ひーくんへ
 いつも傍にいてくれてありがとう、次は屋敷のみんなをよろしくね!
 あんまり女の子女の子言わないよーにね、バカみたいだから!
 あと、あたしの下着が一枚なくなったの、ホントーにひーくんじゃなかったのぉ?


 ミドりんへ
 一緒になって遊んでくれてありがとう、天才さん!
 その頭の良さで、これからも屋敷のみんなを助けてあげてください
 そうそう、実は一度で良いから大筒撃ってみたかったですw
 

 リキへ
 元気に育ってくれてありがとう、早く母ちゃん抜かすくらい強くなってね!
 でもミドりんとか、これから生まれる女の子を、イジメちゃダメだからねー
 ケンカもほどほどに、ちゃーんと寿命を全うしてね、お願いよ


 その他の人へ
 えーっと色々ありがとう、ゴメン手抜きw
 だーってそろそろ出陣の時間なんだもーん!
 
 
 とにかく、
 あたしは毎日、いつ死んでも良いくらい楽しかったです
 ホントにみんな、こんなバカ当主に着いてきてくれて、心から、ありがとうございました!


 だから大丈夫! 化けて出たり しやしないってば……たぶんね!



                            壬生川伽子 享年1才6ヶ月でした!


 

 翠は手紙を閉じ、俯いた
翠「最期まで、バカなお人……」
 そう一言、つぶやく
 英雄がその時々しゃくり上がる肩を抱くと、翠は嗚咽を漏らすように言う
翠「……大筒が撃ちたかったなら……そう、言えばよろしかったのに……ほ、本当に、バカ、よ……」
 かすれ声を上げながら涙をこぼす翠の肩を、英雄は優しく抱き続けた






 伽子が目を覚ます事は、なかった
















 葬式が終わって、英雄は京の町にも遊びに行かず、無口な日々を過ごしていた
 そんな折、英雄が伽子の部屋の後片付けをしていると、偶然に発見した
英「……おや?」
 以蔵の遺影の裏に貼り付けてあった
英「何だろう……手紙、伽ちゃんの……?」
 そこには、次期当主に関する遺言が記されていた


『次期当主に関して 1023年 5月版
 
 うふふ、みんながあたしを忘れたくても忘れないように、
 ひとつおーっきなイタズラをしておきます、七代目当主は……

 サイコロを振って、1が出たらひーくん、2が出たらミドりん、
 3が出たらリキで、4が出たらドーメイくん、5が出たら貞光ちゃんで、よろしく!
 
 ああ、6が出たらやり直し、あるいはあたしが化けて出ちゃうかもよぉ? あっはっはー』



 その手紙を読んで、
 英雄は額に手を当てて、思わず笑みを漏らした
英「やられたよ……伽ちゃん、さすがだよ、キミは……w」
 おかしくっておかしくって、英雄は口元を押さえて笑い出す
 次期当主をサイコロで決める子なんて、もう二度と現れるはずがない
英「忘れたくても、確かに忘れられないよ……くっくっく、もうダメ、面白いな……あはは!w」
 
 壬生川家には、突き抜けたような明るい笑い声が、久方ぶりに響く
 太陽は、夏の到来を知らせるように、さんさんと輝いていた
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by RuLushi | 2005-10-29 07:57
 1022年 9月からの武録

 大人はいないし、誰がこの家を守る!? こうなったらあたしがやるしか!
 テーマはコメディ、新当主・伽子の活躍が読めるのはルル師のRPプレイ日記だけ!
 
1022年
 9月 交神の儀・伽子×八坂牛頭丸                     =一家を見守る=

 10月 出陣・紅蓮の祠(伽子・英雄・翠)                   =一家を見守る=
 
 11月 出陣・鳥居千万宮(伽子・英雄・翠) 初見・力斗→剣士    =前編= =後編=

 12月 元服→英雄 交神の儀・英雄×木曽ノ春菜 訓練・伽子→力斗=一家を見守る=

1023年
 1月 出陣・相翼院(伽子・英雄・翠・力斗)                  =一家を見守る=

 2月 出陣・親王鎮魂墓(伽子・英雄・翠・力斗) 初見・道明→薙刀士=前編= =後編=

 3月 元服→翠 交神の儀・翠×火車丸 訓練・英雄→道明       =一家を見守る=

 4月 出陣・紅蓮の祠(伽子・英雄・翠・力斗)                =一家を見守る=

 5月 出陣・忘我流水道(伽子・英雄・翠・道明)
     初見・貞光→大筒士 訓練・力斗→貞光             =前編= =後編=

 6月 出陣・鳥居千万宮(伽子・翠・力斗・道明) 訓練・英雄→貞光 討死・伽子
                                   =前編= =中編= =後編=
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by RuLushi | 2005-10-29 04:38