ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
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近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
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2005年 10月 18日 ( 1 )
1022年 12月

<壬生川家・居間>
 
 冬にしては暖かく過ごしやすい日であったが、天気はあいにくの雨
 伽子はひとりで居間にいるより、誰かの部屋に遊びに行く事が圧倒的に多かった
翠「……だからといって、何でわたくしの部屋に来るのかしら」
伽「だってー、ヒマじゃなーい、雨降りだしー」
翠「(どこの子供よ……」
 翠の枕を抱いたまま身体を左右に振る伽子を、冷めた目で眺める
翠「力斗さんか、英雄さんと遊べばよろしいじゃないの」
 どんな心境の変化か、伽子に対してだけ敬語を止めた翠が、冷たく突き放す
伽「ほら、ひーくん今月交神の儀だし」
翠「ああ……」
 だから朝から「この世は天国、憂い無しだね!」なんてハツラツとしていたのか、と翠は思い出す
伽「あたし、伽ちゃんきょうも可愛いね、なんて言われちゃったよあははー」
翠「……そう」
 適当に聞き流して、翠は目の前の十寸砲火の解体点検を続ける
伽「それにリキは、先月からずっと道場で素振りしているし、あたしが見てもなー、あんな短い武器のこと良く分からないしー」
翠「(それが一児の母の言うことなのかしら……」
 ついつい反応してしまいそうになるのを、押しとどめる
伽「だから、遊ぼうミドりん」
翠「わたくしが、何をしているように見えるかしら」
伽「ぱずる?」
 伽子にしてはなかなか巧い答えだ、と翠は思った
 そんな当主の言葉に気のない相槌を打っていると、やがてパズルが完成した、十寸砲火に問題なし、だ
翠「……よし、それでしたら、少し動作テストと行きますか」
 大筒を持ち上げて、翠は伽子を振り返る
伽「え、反撃アリなら良いよ?w」
翠「……ええ、良いでしょう」
 伽子がにやりと笑い、翠もそれに応える
翠「そこらの鬼相手よりも、伽子さん相手の方が、身が入りますからね
伽「どういうことよ!w」
 念入りに大筒に火薬を詰め込む翠に、伽子が怒鳴った

 ぱらぱらと雨が降る庭に出て、伽子と翠が向かい合う
 伽子は穂先を取り外した素槍を構え、翠は軽装で二つの大筒を抱えていた
伽「そういえば、実際に勝負するのは初めてだね」
翠「そうだったわね」
 翠は蛇のように目を細めて、伽子を見つめる
伽「それじゃ行くよー」
 素槍を低く構え、伽子が間合いを詰める
翠「この天才の才知に、ひれ伏しなさい……着火!
 大筒を胸の前で構えて、翠は駆け出した伽子に向け、二寸機銃火を着火して、
 ぷすっ、と音を立てて、二寸機銃火はやる気のない煙を吐き出した
翠「……へ」
 思わず目が点になる翠に、伽子の振り回した槍が迫り――
 カコーンと良い音を立てて、ものの見事に翠の身体が真横に吹っ飛び、庭を越えて居間の障子を突き破って、鞠のように台所まで転がっていった
伽「え、あ、あああっ、ミドりん!?w」
 クリティカルヒットした一撃によって、屋敷の奥から返事はない
 一瞬の静寂がとっても恐怖だ
伽「ちょ、<円子>! <円子>ぉぉぉ!」
 
 今月翠が得た教訓は、火薬は雨に濡れると使い物にならなくなる、という実に貴重な発見と、
 伽子はヤバイ、という警報めいた事実であった
 

<交神の儀>
 
英「というわけで、今月はボクが交神だね」
イ「妙に嬉しそうですね英雄さま」
 いまだかつて、こんなに幸せそうに交神の儀に挑んだ家族がいただろうか、と思うイツ花
英「それじゃイツ花さん」
 英雄はニッコリと微笑んだ
英「奉納点が10点の神様から、順番に呼び出してもらえるかい?
イ「ひとりまでですよ!w
英「ええっ」
 そんなバカなっ、と英雄がうろたえる
英「良いじゃない! 奉納点が低い神様から、片っ端じゃんじゃん持ってきてよ! おかわり、おかわり!」
イ「何様のつもりですか!w
英「くっそう、そんな……予想外だ……」
 冷めた目で舌打ちする英雄に、イツ花が冷や汗を流す
英「仕方ない……でも、この中からひとりを選ぶなんて、ひとりきりだなんてボクには選べないッ!
 神様一覧表と頭を抱えて苦悩する英雄に、天罰が当たらないか思わずイツ花は心配してしまう
英「参った……ボクはきょう、知恵熱を出して、消耗死してしまうかもしれない……」
 英雄は神様の顔写真を眺めながら、下唇を噛んでつぶやいた
イ「世界一情けない死因ですネ
英「ああもう今話しかけないでくれる!?」
 何やら黒いオーラを背負いながら、神様一覧表を吟味する英雄
イ「(何だかこの人怖いですよォ昼子さま……」
 イツ花はそんな英雄を和ませようと、軽いジョークを飛ばしてみた
イ「あ、孔雀院明美さまなんていかがですか?」
 英雄は、イツ花にニッコリ微笑んだ
英「イツ花さん、殺すよ
イ「必死すぎますよ!w
 ただオカマの神様をオススメしただけなのにー、とイツ花が泣く
 そして、頂点にあったはずの太陽が沈んだ頃、英雄は顔をゆっくりと上げてつぶやいた
英「よし……決めた」
イ「何でそんな、悟ったようなお顔に……」
 その間に家事を片付けてきたイツ花が、思わず突っ込む
英「ボクのお相手は……木曽ノ春菜ちゃんで、お願いします」
イ「案外マトモですね」
 色白で黒髪の正統派美人を指差す英雄に、イツ花が尋ねる
イ「でも、あの、奉納点が……その、相当低くないでしょうか?」
英「ああ、この神様一覧表、奉納点も書いてあったんだ?
 英雄が自らの家の宿命を全て無視した言葉をはく
イ「あの、ちなみに、どなたと迷ってたんですか?」
英「んー……最後まで残ってたのは春菜ちゃんと、」
 まるで友達感覚で神様を呼びつける
英「それか、葦切四夜子ちゃん」
イ「うわw」
 外見年齢12才前後ほどの少女に、イツ花が少し引く
英「ウブそうで良いかなって思ったんだけど、これででも、手練手管とかだったらちょっと興ざめだよね?」
イ「同意を求められても知りません!w」
英「というわけで、教え込むより、むしろ対等にお互い気持ちよくなれそうな、春菜ちゃんで」
 理由を聞かなければ良かったと思いながら、イツ花は神様を呼び出す
イ「はいはい……それでは、お呼びいたしますからね」
英「はい、お願いします」
 いつもの笑顔に戻った英雄に、突然、暖かくて芳醇な風が吹きつける
 そこに春の新芽を思わせるような、柔らかな女性が現れた
 
 木曽ノ春菜「暖めてあげるわ…………きゃっ!」
 
 若葉のような手を引いて、英雄が微笑んだ
英「やぁ春菜ちゃん、きょうはよろしくね」
春「あ、あなたがお相手ですのね……ってあの、何を、やっ」
 イツ花が静かに退出する中、春菜の戸惑うような声が響く
春「ちょっと、あの、そんな……いきなりっ」
英「大丈夫大丈夫、きょうはボクに任せて? フフ」
 含み笑う英雄が、春菜のまとっている着物を手早く脱がせてゆく
春「こ、こんな、お話が、違います、わ……あああっ!」
 

 翌月ふらふらで天界に戻った木曽ノ春菜は、
「人間って……人間って……」と、友人の若草山萌子に涙ながら語ったというが、それはまた別のお話
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by RuLushi | 2005-10-18 01:24