ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
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近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
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2005年 10月 14日 ( 1 )
1022年 10月

<平安京>

 真夜中、朱雀大路の南端、都の表玄関として名高い巨大な門に、静かに黒い影がうごめ
いていた
 いまや盗賊の住処と化している、荒れ果てた羅生門である
 その門の陰から今まさに、痩せこけた赤ん坊のような一匹の鬼が出現した
 真っ赤な鬼はよろよろと通りを歩き、その姿に気づいた何人かの町人が悲鳴を上げた
検非違使「ちょ、お前アレ鬼だぞ!」
検「お、鬼、鬼……」
検「た、退治しないと!」
 騒ぎを聞きつけた兵隊が、提灯と槍を持って、鬼を形だけ取り囲む
 しかし、鬼が闇の中で輝く真っ赤な目をぎょろりと動かすと、思わず検非違使の何人かが怯えた声を出した
検「以前は、人里まで鬼が降りてくるなんてなかったのに、今じゃ平気でやってきやがる……!」
 それが朱点童子・黄川人の完全復活後の影響だということを、一兵士は知るよしも無い
 鬼の口元には、まだ真新しい人間の血が付着していて、提灯の明かりに照らされててらてらと光っていた
 その時、鬼を取り囲んでいた検非違使たちが、さざなみのように割れた
 一本の道から、まだ成人にも達していないと思われる少年が、使い込まれた薙刀を持って姿を見せる
 栗色の髪に、黒と青の羽織を身に着けていた、それは京でもことさらに有名ないでたちであった
検「壬生川一族だ……」
 誰かが呟いた
検「半神の、壬生川の武人……」
検「鬼殺しの家系か……」
 検非違使の作った道を悠々と歩き、少年は鬼に近づき、すれ違い様にその首を刎ねた
 瞬きの間に化け者を葬った少年に、検非違使が戦々恐々と漏らした
検「俺達から見たら、どっちが鬼か分からねぇな……」
 少年は薙刀に付いた鬼の血をふき取ると、ため息をついて、そのままどこかに歩き去っていったという
 
 
<出陣>
 
 居間に、出陣支度を整えた伽子が凛々しく立っていた
伽「よーし、今月はバリッバリ戦闘するよー!」
英「えー」
 ちゃぶ台にもたれながら、昨晩屋敷に帰ってきたばかりの英雄が、少し嫌そうな顔をした
英「ボク、京の都に行ってきたばかりなんだけどなぁ……w」
伽「おー、パトロールご苦労様! ご褒美、ひーくん!」
 英雄の髪をわしゃわしゃとかきまぜる伽子
英「痛いから痛いからwていうかパトロールじゃなくて、復興支援なんだけどw」
伽「えー、じゃあご褒美返してよ!」
英「か、返す……?w」
 少し考えてから、英雄は自分がやられたように伽子の頭をぐしゃぐしゃにする
伽「ひゃぁん」
英「(……先月一ヶ月交神の儀をして、感度が上がっているのかな」
 英雄は邪なことを考え出す
翠「出来ましたわぁぁぁ!」
 その時、屋敷を揺さぶるような大きな声が聞こえてきて、思わず伽子と英雄は目を合わせた
伽「え、何w」
英「翠ちゃん……でも、キャラが違うような」
 バターンと思いっきり障子が開き、目の下に大きなクマを作った翠が二人の前に姿を現した
翠「伽子さん、あなたもこれでお終いですわ」
英「物騒だよ!w」
 あちらこちらがはだけた着物を身にまとい、枕大の大きさの筒を翠は伽子に向けた
翠「完成しました、名づけて……十寸砲火!
 翠が完全武装の伽子に向けて、巨大な筒を発射した
 轟音と共に打ち出された弾を、伽子は寸で避けるが、その避けた場所に翠のニ連射が強襲する
伽「うわあ!w」
 ニ発の鉄球を槍で叩き落とす伽子に、翠がニヤリと笑った
翠「さすが伽子さん……ですが、これでトドメですわ、二寸機銃火!
 十寸砲火を投げ捨て、腰に下げていた比較的小さな大砲を構え、着火すると同時に、無数の小さな円球が視界を埋め尽くすほどに散布された
伽「え、えええええええええ!w」
 さすがに度肝を抜かれた伽子は、みぞれのような鉄球を浴びて、その場に倒れる
 壁にも障子にも弾が突き刺さり、床には節分後のように弾丸が散乱している中、翠は拳を握り締めた
翠「……ついに、伽子さんを超えることが出来ましたわ……天才と呼ばれるわたくしの、才知の勝利……うふふ、自分で自分が恐ろしくなりますわね」
英「ボクは翠ちゃんが普通に恐ろしいよ
 翠の足元にいて散弾を免れた英雄が、冷や汗を浮かべながら呟いた
 不気味な笑みを浮かべる翠に、伽子がむっくりと起き上がった
伽「み、ど、りーん……」
翠「うふ、ふ、ふふ……ハッ!」
 ゆらゆらと迫る姉に向けて再び二寸機銃火を構える翠の腕から、伽子は筒を叩き落す
翠「……散弾は単発に比べて、一撃一撃の威力が劣っているとは言え……木の枝をまとめて叩き落すほどの破壊力だと言いますのに……化け物……」
伽「さすがに怒ったぞおおおおおおお!」
 顔中に丸い赤アザを作った伽子が、きしゃーと翠に飛び掛った
翠「ちょっ、わたくしは、大筒士なんですから武芸は……あ、ちょっとっ、痛っ、痛いいいい!」
伽「ちゃんとお部屋も片付けなさいよおおおおお! 伽子ちゃんパーンチ!」
翠「痛い、痛いですってば! やめてっ、大筒の実験じゃないですか何が悪いって言うんですかぁぁ!」
 悲痛な絶叫から耳を塞ぎながら、英雄は居間から転がるように逃げていく
翠「痛ーいぃぃぃぃ、この天才のわたくしにこんなことをするなんて、覚えてなさいよおぉぉぉ!」
 
 
 それから三人は紅蓮の祠に出陣した
 大筒士・翠の初陣であったが、彼女は二寸機銃火を取り上げられたため、結局十寸砲火で一ヶ月戦ったのだが、その桁外れの威力に英雄は目を丸くしたという
英「これが翠ちゃんの作ったものなんて……すごいよこれ、戦術がまるっきり変わるよ」
 後衛にいながら、相手の後衛を狙い撃ちが出来る、革命的な発明だ
翠「……本当は、二寸機銃火もあれば、相手一列も攻撃できるのですが」
伽「今月は反省しなさい!」
 伽子が翠の頭をぽかりと叩く
英「ま、まぁまぁ伽ちゃんも……w」
 翠が伽子に見えないように、べーと舌を出した
英「翠ちゃんも、さすがにあれは自粛した方が良いと思うよ……w」
翠「凡人に天才の考えは分からないのですわ」
 何をーと再び伽子が翠に向き直り、英雄がはは……、と乾いた愛想笑いを浮かべた

 
 帰ってきてから、英雄はイツ花にポツリと漏らした
英「鬼より、味方が怖かった」
 伽子と翠の仲を取り持った英雄に、イツ花は静かに胃に優しい漢方薬を差し出したらしい
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by RuLushi | 2005-10-14 02:36