ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
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近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
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2005年 09月 24日 ( 1 )
1022年 4月後編

<出陣>
 
以「それじゃ、行って来るか」
 身軽な装備に槍を担いだ以蔵が、眠そうな目で辺りを見つめる
以「英雄は今月自習か……訓練要員も、いなくなっちまえば不便だな」
鈴「それ、誰のことですか?」
 鈴鹿の問いかけに以蔵は何も言わず、ひとりで先に行ってしまう
鈴「もう……あの人はまったく」
英「頑張ってね、鈴鹿お母さん」
 まるで天使のような笑顔で、英雄は鈴鹿に抱きつく
伽「わ、可愛い!
 目を輝かせる伽子に驚いて、鈴鹿の後ろに隠れる英雄
伽「あ、ごめんごめん驚かせちゃったかな、あたし伽子、よろしくね!」
英「あ、あの……よろしく、お願いします、お姉ちゃん」
 もじもじしながら、英雄は伽子の差し出した手を掴む
門「おー、俺っちは門司だ、よろしくっす!」
英「あ、うん、よろ。」
 ぼそぼそとつぶやく英雄
門「何すかその態度の差は!?w
 いきなり怒鳴りだした門司に、伽子と鈴鹿が怪訝そうな目を向ける
鈴「何ですか、門司さん?」
伽「ど、どうしたのモンチーいきなり、顔が良い子が気に食わないの?」
 女性陣から奇異の視線を浴びせられ、門司は口をもごもごしながら英雄を指差す
門「い、いや、その子がっすね……」
 門司から指差された英雄は、再び鈴鹿の陰に隠れる
英「ぼ、ボク……あの、何も……」
伽「ちょっとちょっとー、何イジめているのモンチー、この世界心狭い選手権一位めっ」
 目を吊り上げる伽子に、門司はあうあうと口をぱくぱくさせた後に、
門「う、うわぁぁぁん!
 泣きながら走っていった
伽「何だったの……?」
鈴「何でしょう……」
 鈴鹿と伽子に頭を撫でられながら、英雄はこっそりと勝者の笑みを浮かべていた


<紅蓮の祠>
 
 以蔵、鈴鹿、門司、伽子という選考試合に出場した四人が訪れたのは、灼熱の洞穴だった
 火山に繋がっているのか、あるいは冥府への入り口なのか、洞窟にはマグマが噴き出し、進軍は困難を極めた
鈴「……暑いですね」
以「お前が、言っても……説得力が、ねーよ……」
 以蔵のツッコミも、心なしか冴えない
 現れる妖怪は強敵の上、全体回復の術<お地母>を使えるのが、経験豊富な以蔵と夢見の術力を継承する門司のふたりだけという有様
 鈴鹿は唯一の弱点とも言える土の遺伝子が欠落していたし、伽子は今回が出陣二回目だ
 そういうわけで治癒の術に苦労しながらも、以蔵を中心とした圧倒的な攻撃力により、壬生川家は何とか奥へと進んでいった
鈴「目的は奉納点を稼ぐことと、新しい洞窟の探索、それに門司さん伽子さんのご成長です」
以「履き違えてはねーよ」
 槍を振り回し、火妖の腹に次々と風穴を空けてゆく以蔵が、呼吸を整えながら返事をする
鈴「あまり先に行かないでくださいね、兄上」
以「……分かってる」
 鈴鹿の言葉で気負う気持ちを抑えると、以蔵は若人たちと歩調を合わせて、共に先へと歩む
 炎奏廊と呼ばれる回廊を抜け、一同は熱波の中を奥へと辿ってゆく
伽「あっつーーい! お父さん脱いでも良い!?
 もう我慢できないと言った顔で、伽子が以蔵に尋ねる
門「ちょ、伽っちw」
 たしなめようとした門司を手で押しのけつつ、以蔵が短くつぶやく
以「門司が喜ぶから、やめとけ」
伽「あー……うん、そっか、じゃあガマンする
門「ちょ、どういうことっすか!?w 何でそれで納得するんすか!?
 心持ち伽子は、門司から距離を取った
 そんな気全然ないのに……と、涙を流す門司
鈴「水分が勿体無いです」
 顔色ひとつ変わっていない鈴鹿に、さらにトドメを刺された
 
 4ノ宴、5ノ宴……と一風変わった名前の横穴を抜けてゆき、
 強力になった妖怪により健康度を削られながらも、一同は開けた空間に出た

 四人がたどり着いたのは、炎舞廊という名の広間だった
以「嫌な……臭いがするな」
 以蔵が眉をひそめて、槍を構える
鈴「私には感じられませんが……」
以「いや……背中が、ピリピリしやがるんだよ」
 周囲を警戒してろ、と以蔵は言いつけると、ひとり一歩前に踏み出した
 並の人間なら気づかない、わずかな振動が足に伝わった
伽「お父さん、何か来るっぽいよ!?」
以「……伽子も、か」
 地面から伝わってくる音は、どこかで聞いたことがある、以蔵は記憶を巡らせる
以「鈴鹿はオレと前へ、門司と伽子は後ろでいつでも術を撃てる準備をしておけよ」
伽「りょーかい!」
門「うっす!」
 元気の良い声を流しつつ、脳裏をよぎる音を照らし合わせる
 これは、そうだ、京の都で……?、以蔵の中で段々大きくなってくる音と記憶が一致した
以「……これは、車輪、か!」
 以蔵はその瞬間槍を放り、隣で薙刀を構える鈴鹿を抱いて、右後方に大きく跳んだ
 直後、岩盤を砕いて出現した一騎の車が、先ほどまで以蔵のいた位置に突っ込んでいく
 その荷車は、体長が壬生川家の蔵ほどはありそうな、化け物だった、跳ね飛ばされていたら一撃で葬られていただろう
鈴「……は、ありがとう、ございます」
以「気づくのがおせーよ……」
 鈴鹿を抱いて着地した以蔵の前に、壁に突進して停止した車――燃え盛る火炎の車が方向転換してその正面を向けてきた
 火車の上に、巨大な蛇の胴体を持つ燃える髪を生やした男が乗っている
伽「え、人間?」
以「なはずがねーだろ……」
 鈴鹿を降ろして、以蔵は投げ捨てた槍を拾う
 炎の車に乗った蛇男は、荒々しく怒鳴った
 
 鳴神小太郎「燃え尽きよ!
 
 小太郎は大きく叫び、火炎系全体術<双火竜>を発動させた
 竜の尾を模した二本の熱線が暴れ回り、伽子や門司、以蔵や鈴鹿の身体を薙いでゆく
 全員に150ほどのダメージを受ける壬生川家
門「ひい……<お地母>っす!」
 間髪入れずに門司が治癒の術を唱える
鈴「……門司さんだけじゃ、回復が追いつきません」
以「チ……<お地母>!」
 以蔵が下がって印を結び、代わりに鈴鹿と伽子が前に出て、小太郎に飛びかかった
伽「壬生川正義の一番槍、参りまーーーっす!」
 小太郎が縦横無尽に振り回す灼熱の髪の毛を避け、切り落としながら、鈴鹿と伽子がその懐に潜り込む
 だが真っ先に飛び込んだ鈴鹿の薙刀では、その身体に引っかき傷程度のダメージしか与えられない
 伽子も続くが、同じく表皮を傷つけただけで、肉まで届かない
小太郎「稲妻よ!
 それどころか、十分にひきつけられたところで小太郎の<雷電>をまともに浴びてしまう
 ぼて、と後方に倒れる伽子と、身を守ったまま以蔵の横に着地する鈴鹿
以「無茶すんなよ……<お雫>!」
鈴「……普段と何だか逆ですね」
 以蔵が振り返ると、伽子に門司が駆け寄って<お雫>を唱えている場面が見えた
以「鈴鹿、<武人>何回で行けそうだ?」
鈴「……そうですね、五回六回……遠そうです」
 敵一列を攻撃する特性上、弓以上にボス戦には不向きな武器が薙刀なのだ
以「ホント我が家は、全体攻撃を持つ敵に弱いな……」
 少し距離を離した途端に、<双火竜>と<雷電>の猛攻撃が放たれてくる
 溶岩を撒き散らしながら飛来する熱光線と雷に、壬生川家は翻弄され、直撃は避けつつも150と200を与えてくる全体攻撃術の威力にジワジワと体力を削られてゆく
 回復の術で手一杯になり、どうにも反撃の糸口が掴めない!
門「このまま俺っちの技力が尽きたら、終わりっすよー! <お地母>!」
伽「ひーん」
 あまりの消耗の激しさに、伽子も後方から<お雫>の援護に切り替えた
鈴「兄上、このままでは……!」
 暴れ狂う炎によってあちこちに火傷を負っている鈴鹿が、果敢に小太郎に挑みかかりながら、以蔵に怒鳴る
以「……術は面倒だな、糞」
 軌道の読めない雷撃に、以蔵もまた手足からボタボタと血を流して、それでも何とか槍を構えていた
 せめて近づければと歯噛みをしている中、ついに伽子が膝をついた
伽「うわぁん……もう、ダメ……」
門「伽っち!」
 門司が駆け寄ろうとした瞬間、伽子の姿が、放たれた火炎に覆い尽くされる
 それどころではなく、続いて鈴鹿までも小太郎の<雷電>に捕らえられた
鈴「……土の遺伝子の欠乏による、術抵抗力の不足、ですか」
 虚ろな目をして、その場に倒れこむ鈴鹿
門「うわぁぁ、もうダメっす!」
 伽子だけではなく、蘭の血を引く守りに秀でた鈴鹿が倒れたことにより、門司は頭を抱える
 門司の前、以蔵が小さくため息をついた
以「……やりやがったな、お前」
 唱えていた<お地母>を中断し、槍を水平に構えて、以蔵は小太郎を睨んだ
小太郎「散れェ!
 小太郎が傷ついた壬生川家当主に向けて、幾重もの火炎の螺旋を吐き出す……が、以蔵はそれらを振り回した槍で弾きながら、小太郎へと詰め寄る
門「え、え、以蔵っち兄さん!?」
 鈴鹿や伽子があれほど苦労していた間合いに、以蔵は三拍子で入り込んだ
 一瞬の出来事に戸惑う小太郎の眼前で以蔵は槍を振るう、鈴鹿の狙っていた小太郎の眼球に向けて
小太郎「ぐおおおおおおおおおお
 苦悶に震え、怯む小太郎を、以蔵は滅多刺した
 頭を、腹を、手を、胸を、耳を、肩を以蔵は刺し貫く
 その容赦のない猛攻に、門司は息を呑む
 童子が虫を解体するように、以蔵が鬼を細切れに斬り裂いてゆく
小太郎「燃え尽きよォオオオ<花乱火>!
 小太郎の絶叫が響き、以蔵は至近距離で火炎球の直撃を受けたように門司には見えた、が、以蔵は信じられない行動に出た
 小太郎の腹の肉を槍でえぐり、その蛇の胴体の中に身を潜め火炎をやり過ごすと、以蔵はそのまま渾身の力で背中を突き破った
小太郎「ああああああああああああああああああああああ
 空気を振るわせるほどの叫喚が響き渡り、背中から這い出た以蔵はその小太郎の頭部に槍を打ち下ろす
 凄惨な音と共に火の粉となって散ってゆく小太郎
 相手は鬼とは言え、姿を変えられた神に対するあまりの仕打ちに、門司は絶句する
門「い、以蔵っち、兄さん……?」
 鬼の血を浴びて、全身を真っ赤に染めた以蔵がゆっくりと振り向く
門「ひっ」
 思わず門司は短く悲鳴を上げた
以「……ん」
 以蔵は自分の頬に手を当てる
以「……どーした、門司」
門「い、いえ……な、なんでも、ないっす」
 一瞬、以蔵の顔が鬼の形相を模していた、とはとても言えなかった
 以蔵は、倒れた鈴鹿、うつ伏せでぴくぴく痙攣している伽子を見てから、髪を縛っていた藍色の飾り布を解き、再びため息をついた
以「……汚れちまった、な」
 もはや赤紫に染まった飾り布を再び髪に巻きつけ、以蔵は撤収の指示を門司に出した
 

 こうして一同は鳴神小太郎を撃破し、二名の重傷者を出しながらも大量の奉納点を稼ぎ、紅蓮の祠から帰還したのであった
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by RuLushi | 2005-09-24 01:55