ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
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近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
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2005年 09月 23日 ( 1 )
1022年 4月前編

 夢見が亡くなって、門司は読書をすることが多くなった
 元服した門司は広い部屋をひとりで持て余しながら、術の勉強をしていた
伽「モンチー、暇ー?
 ただ、そのほとんどの時間は、屋敷をうろちょろする伽子に邪魔されていたが
門「伽っち、鈴っち姉さんのとこに遊びに行ったんじゃなかったんすか?」
 書物の上に頭を乗せて門司を見上げる伽子が、口を尖らせて言う
伽「何だかね、きょうリンリンの子が来るみたいで、お父さん引っ張ってっちゃった」
門「はぁ、いつも一緒っすねあの二人」
伽「もう夫婦だよね、夫婦」
 あんな父親とあんな母親を持つ伽子を、思わず哀れんでしまう門司
伽「で、何やってたのー?」
 門司の背中に乗っかって、伽子は肩越しに教本を覗き込む
門「いたた、ちょっと重いっすよ、<くらら>の巻物っす」
伽「え、もしかしてあたしに教えてくれるために予習?」
門「どんだけポジティブなんすか!?w
 ちゃうわっ、と伽子を振りほどく門司
伽「なーんだ、せっかくモンチーにお兄ちゃんっぽいことをさせてあげよーと思ったのに、優しいお伽ちゃんが」
門「それが教えられる立場の言い分っすかね!?w」
 あはははーと笑って伽子は話を変える
伽「それはそーと、モンチー暇ー?」
門「俺っちの声聞こえてたっすか!?w」
 げしげしと門司のわき腹を突きながら、伽子は一方的に話を進める
伽「もし暇なら、お花見しなーい? お花見ー」
 そういえばと、門司も<くらら>の書から目を上げて、外を眺める
門「もう桜の季節っすかぁー」
伽「世界でもっとも綺麗なお花なんだってよ、七色に輝いて、夜になると自ら輝いて、さらに見る角度によって色が変わったり、花びらの大きさが3メートル強だったりするのかな」
 いまだ桜を見たことのない伽子が、勝手に想像する
門「何かもうそれ、花の妖怪っすね」
伽「えっ、花の妖怪なの桜って!?
門「へ?」
 血相を変えた伽子に、門司が嫌な汗を流す
伽「そんなまさか、壬生川家の敷地内にまで妖怪が入り込むなんて……この正義の槍使い、お伽ちゃんが成敗ー!」
 そう言って猛ダッシュで部屋を出て行った伽子を、慌てて追いかける門司
門「ちょ、俺っちが悪かったっすから!w」
 父子ともに、以蔵の家系からは振り回され続ける門司だった


<鈴鹿の子>

 儀礼の間に腰を下ろして、鈴鹿はイツ花の言葉を聞いていた
イ「鈴鹿さま、七天斎八起さまより、新しいご家族を預かって参りましたァ!」
 心持ち嬉しそうに正座する鈴鹿の横、以蔵が憮然とした顔であぐらをかいていた
以「……何でオレはいつも、お前のお守りをせにゃいけねーんだ」
鈴「一家を守るのは、当主の務めだと母上は常日頃から言ってました」
 子供を迎え入れるのが不安だから着いてきてほしい、と鈴鹿が頼んできたのがつい先ほどのことだ
以「……それは蘭姉の信条で、ってまーいいか……来るのは、臥家の五代目、だったか」
鈴「がけ?」
 聞きなれない言葉に、鈴鹿は首を傾げる
以「ああ、そろそろ三つの家も特徴が明確になってきたし、ここらで呼称でも考えよーと思ってな、初代が臥蛇丸だから、臥家
鈴「臥家二代目が巻絵さんで、三代目が母上、四代目が私ですか」
 代々の薙刀士の家系である
以「そういうこと、門司んとこは香家(キョウケ)、んでオレが幸家(コウケ)だ」
 鈴鹿は分かりました、とうなずく
鈴「でも、兄上の家は幸家ではなく、本家でも良かったと思いますが」
以「母さんの代ならともかく、現当主がオレじゃ、おこがましいよ」
 そう言って、以蔵は肩をすくめて、イツ花を見る 
以「悪い、話し込んじまったな、続けてくれ」
イ「はァーい」
 ニコニコとイツ花が続ける
イ「おめでとうございます、男のお子様です!」
以「男、か、増えたもんだな我が家も」
 壬生川家に来てから門司が生まれるまで、ずっと一家で男ひとりきりだった以蔵がつぶやく
イ「なんだか、ただ者じゃない眼の輝きをお持ちです!」
 鈴鹿がちょっぴりだけ嫌そうな顔をしたのを、以蔵は見た
鈴「ただ者で、良いのですが……」
イ「それでは、お呼びいたしまーす!」
 
英「よろしくお願いしますー!」

 障子を開けて現れたのは、派手な金の髪を持つ、肌の黒い少年だった
 愛嬌のある顔立ちの子に、鈴鹿は「英雄」と名づけ、薙刀士の道を歩ませた
 
以「なかなかの美少年だな」
 ふーん、と以蔵が感想を口に出す
鈴「よろしくお願いします、英雄さん」
 自分の息子に対しても敬語で頭を下げる、バカ丁寧な鈴鹿
英「ぼ、ボク、頑張りますっ」
 そう言って、英雄ははにかみながら微笑む
イ「最近の壬生川家にはいらっしゃらなかった、まともそうな方ですネェ」
以「いやせめて、伽子はまともでもいいだろ」
 イツ花の感想に、あれくらいの笑い上戸勘弁してやれよ、と以蔵がつぶやく
鈴「英雄さんもどうか……この壬生川家で、まっすぐに育ってください」
英「お母さん……」
 鈴鹿が英雄の頭を良しと撫でる
英「ありがとう、お母さん、ボクもこんな美人な人がお母さんで良かったっ」
鈴「美人だなんて……そんなこと言われたの、初めてです」
 戸惑う鈴鹿に、何となく面白くない顔をしている以蔵が、横からしゃしゃり出る
以「でもな、この壬生川家に生きる以上、何か特技は必須だからな」
 まっすぐなだけじゃダメだぞ、と付け加えて以蔵は鈴鹿を指差す
以「例えばこいつは、どんなにマズイものでも顔色ひとつ変えずに食べれる化け物だ」
鈴「人をそういう風に言わないでください」
 聞こえないフリをして、以蔵は続ける
以「オレなら、どんな相手にも揺るがない、淡々としたツッコミ」
鈴「え、特技だったんですか?」
 そこで以蔵は、さあ、と小さな子供に詰め寄って、
以「さ、英雄は何があるんだ」
英「え、ええっ!?」
 以蔵の無表情に、英雄は思わず大きな瞳に涙を浮かべる
鈴「怖がっているじゃないありませんか、兄上」
英「そ、そんな……ぼ、ボク、特技なんて……ぐすっ」
 鈴鹿が英雄を抱き、非難するように以蔵を見る
以「オレは昔っから女に優しくするよう、母さんや夢姉にしつけられたが、野郎はそれに該当しねーもんでな」
鈴「そうでしたか、門司さんを虐めていたのは、てっきり夢見姉上を取られたからだと思っていましたが」
以「なかなか言うじゃねーか鈴鹿、よし表に出ろ
鈴「もしかして英雄さんにも、そういう感情を抱いていらっしゃるんではないでしょうか?と思っただけです」
 以蔵と鈴鹿の口論をイツ花が横で、夫婦喧嘩は犬も食いませんからネェ、と傍観していた
英「も、もうやめてっ」
 そこに、涙をいっぱいに浮かべた英雄が、ふたりの間に割って入った
英「よ、よくわかんないけど……でも、け、ケンカはダメだよっ」
 潤んだ瞳で見つめられ、以蔵と鈴鹿は何となくそっぽを向く
 すると、英雄が突然ニッコリと微笑んだ
英「ボクの特技、こんなのでどう?」
鈴「……え?」
以「……は?」
 呆気に取られて、二人がつぶやく
英「天界でも、ボク結構みんなに可愛がられてたんだ、えへへ」
 愛らしく微笑む英雄を前に、以蔵が思う
以「(……なんてガキだ」

「……?」
 鈴鹿はそんな息子に、しばらくきょとんとしたままであった
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by RuLushi | 2005-09-23 00:08