ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
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近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
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1021年 8月

<夢見の子>

 そわそわしながら待つ夢見の元に、ニコニコ笑顔のイツ花が現れる
イ「タタラ陣内さまより新しいご家族を預かって参りました!」
夢「わ~ぃわ~ぃですぅ~
 夢見が待ち望んだ自分の子だ
イ「おめでとうございます! 男のお子様ですよ!」
夢「男の子ぉ、やりましたですぅ~~」
 手を叩いて喜ぶ
イ「あらァ、夢見さまは男の方が良かったんですか?」
夢「はいですぅ、だってぇ、女の子に女親だとあんまり言うこと聞いてくれないかもしれないじゃないですかぁ」
 親が夢見ならどっちでも同じだろ、と以蔵がいたなら言ったかもしれない
イ「口元が母君にソックリなんですネェ、それではお呼びいたしますよー」
 
 がらりと障子を開けて入ってきたのは、派手な赤い髪に白い肌の少年だった
 鼻の上に大きな傷のようなアザがあり、どことなく不敵な面構えをしている

○「初めましてお母さん! よろしくっす!
 
 名前は門司(モンジ)、のの香から代々続く弓使いの家系に生まれた初の男子だ

夢「よろしくですぅ、門ちゃん~」
門「俺っち、お母さんの力になれるよう、頑張るよ!
夢「え~、別に力にならなくても良いですぅ~」
門「
 ニコニコと微笑む夢見に、気の抜けた顔を見せる門司
夢「ユメ、自分の子供が出来ただけで、十分幸せですぅ~」
門「は、はぁ?」
 小さな門司を抱きしめて、頭をよしよしとする母
夢「しいて言えばぁ、元気な子でいてほしいですぅ」
門「げ、元気な子っすか……そうだ、じゃあ俺っち、特技を披露するよ!
夢「わぁ、特技ですかぁ?」
 ぱぁっと顔が明るくなる夢見・母子
門「あ、ああ! 俺っち人を驚かせるのが大好きで、よく天界でやってて何度も殺されそうになってたんすよ!」
夢「うわぁすごいすごい、見せて聞かせてぇ~
 何だこのバカ親子は、とでも言いたげなイツ花の冷めた視線も気にせず、盛り上がる二人
門「ワハハ、俺っち、実は夢見お母さんの子供じゃないんですよ、お父さんが浮気して別の女にうませtぐぇ、ちょ、おかあs――」
夢「何ですってぇぇ~~~~、ユメぇぇ、門司を殺してユメも死にますぅぅぅぅ~~~~~~
 夢見が渾身の力で門司の首を絞めるのを、その場に残っていたイツ花が助けを呼び、慌てて駆けつけた鈴鹿が夢見を止めたのだった
 それ以来、当たり前だが門司にはドッキリ禁止令が出たという

 
<以蔵の元服>
 
 長い後ろ髪を結び直した以蔵が正装で、儀礼の間から退出してくる
 誰もいなかった
以「いや……予想通りだけどな……」
 屋敷を通り抜ける夏風が、以蔵の心の隙間に吹きすさぶ
以「何だろうな、オレのこの家での扱いって……」
 なまじ当主の息子に生まれてしまったことが、よりいっそう寒風を立てるのかもしれない
 思えば幼児の頃から、母を周囲の大人に取られて、遊び道具は槍のみ
 唯一の話し相手の夢見は浮かれきった幸せな性格だし、ツッコミ以蔵の枯れっぷりはますます増していったという
 そんな、壬生川家にしては珍しく消極的な少年、以蔵
 あるいは壬生川家に育った男は、皆不幸になるという呪いでもあるのだろうか
 以蔵は人知れず、ため息をつく
 居間を訪れると、そこには初子、蘭が難しい顔をして対面していた
以「ん……」
 またこの前のような言い争いだろうかと思い、早々に立ち去ろうとした以蔵を初子が呼び止める
初「そうそう、いっくんこっちこっちー」
以「何さ」
 初子が座布団を叩いて、以蔵を導く
 その軽い口ぶりに、多少安心して輪に入ってゆく
初「さ、というわけで、」
 押し黙っている蘭の前、何となく気まずさを感じている以蔵の隣で、初子がニッコリと微笑む
初「四代目当主でも決めましょうか♪」
蘭「……」
以「母さん!w
 明るっ、とツッコミを入れる間もなく、初子はさっさと話を進める
初「わたしはお二人の方で、やりたい方がやれば良いと思います」
蘭「……なら、俺がやる」
初「早いですね蘭さんw」
 初子はそれから以蔵に顔を向ける
初「いっくんは、どうなのー?」
以「……蘭姉がなるんだろ? じゃあオレは何も言わねーよ」
初「そっか、いっくんはやりたくないんだ」
以「誰もやりたくねーとは言ってないけど……」 
 以蔵は蘭の強面な顔を見て、ため息をつく
 そんな以蔵の脳裏に、ふいに泣いている夢見が映し出される
以「(何で、夢姉が……」
 戦場に出たくないと、駄々をこねて、いつも笑っていて、変な喋り方で
以「……夢姉も、戦に?」
初「え?」
以「夢姉も、戦に連れて行くのか、蘭姉」
蘭「当然だ」
 少しも迷わずに、蘭は言い切る
蘭「……夢見には実力がある、佐和譲りの弓の腕に、その技力だ」
 蘭は夢見を嫌っているわけではない、その能力を買っているだけだ
 初子や以蔵ほどの矛性能はないが、技力、守りの術は佐和以上の素質を見せている夢見を、出陣させないのは惜しいと考えているのだ
 表情を見せない蘭だが、その分かりやすいほどの実利主義は以蔵にも分かっていた
 今年の大江山はもはや三ヵ月後に迫っている
 やってきたばかりの夢見の子供では、経験が豊富な夢見の代わりは務まらない以上、出陣するのは夢見でなくてはならない
 理屈では分かっているのに、この胸のモヤモヤは何だろう
以「……もーちょっと、時間とかもらえねーかな」
初「良いけれどでも、あんまり、ないんだよね」
 初子の前には、飲みかけの漢方薬が置いてあった
以「母さん……もしかして、身体、」
 以蔵を見て初子は、あははと笑った
 少年の心に、その笑顔が染み渡る
 迷わない蘭や、一生懸命な初子が、羨ましかった
以「……そーか」
 以蔵は立ち上がって、そのまま部屋を出て行った
 今月は夏の選考試合がある、その準備をするために
 

<選考試合> 
 
 京の都に行くというのに、夢見は門司の訓練に勤しむと励んでいた
 それ自体は大変結構なことなのだが、どうにも夢見の言動なだけに蘭と以蔵は信じ切れなかったが
 とはいえ、その申し出をあっさりと受け入れた初子は、蘭、以蔵、鈴鹿の三人と共に選考試合に出場した
 
 壬生川家の出場三度目となる夏の選考大会にて、
 初子率いる、剛守の蘭を中心とした壬生川一族は、初めての優勝を遂げたという
 
 春・夏の選考試合連覇により、
 ついに壬生川家は、京の都に並ぶ者無しの武勇を手に入れたのであった
 
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by RuLushi | 2005-09-04 08:39