ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
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近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
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 ああ、無だ
 母親を失った幼子は、真っ白な光に包まれた世界に浮かんでいた

 
 無が、こんなに心地よかったなんて、知らなかった

 
 もう誰からも憎まれることはない
 もう誰も憎む必要はない
 その胸の中に、一粒の輝きが生まれる
 それは、赤子が親の腕の中で抱かれていた頃の記憶だった
 
 片羽ノお業、お紺、氷ノ皇子、そして、お輪

 景色が回り、緩やかに流れてゆく
 彼らの名前は思い出せなくとも、その温もりを忘れてはいなかった
 
 ああ……母さん…… 

 それは、遠い日の思い出



 
 いつか、滅した少年は光となった
 きっと、少年は、光になれたのだ
 










<全てが終わり>


 胎の間で、どれくらい意識を失っていたのだろうか
 うつぶせに倒れていた美月は、ゆっくりと顔をあげてゆく
 頬についた土を拭うよりも、眠る前に見た光景が焼きついていた
 家族の安否を気にかけていた
美「パパ……みんな……?」
 家族の安否を気にかけながら、つぶやく
 中央に浮かぶ大きな光球が眩しくて、辺りを見回すことができない
 美月は起き上がろうと、恐る恐る肘や肩に力を込める
 すると、さほどの痛みも感じずに、立ち上がることができた
美「……みんなは……」
 誰ともなく、問いかける、思考がまとまらず、声となって出た
 目を細めてみれば、烈や左京がこちらにやってくるのが見えた
烈「美月、無事か」
美「烈くん、お兄ちゃん……うん、わたしは大丈夫、だけど……」
 美月は不安の色を隠せない
 眉を下げて、まるで泣きそうな表情をする美月に、左京は目を背けながらつぶやく
左「……父さんの姿が、どこにもない」
 美月は息を呑んだ
烈「……やっぱり……」
 烈は下唇を噛む
 戦いは終わりを迎えるのに、三人の胸中は苦い思いに包まれている
 暗い地獄の底では、勝利の喜びを無邪気に受け入れることもできなくて
 落ち込んでいる三人の心までも照らすように、光は浩々としている

 そんなとき、中央に浮かんでいた光の球が徐々に形を変えて、膨らんでゆく
 そうして、光の海から羽衣をまとった天女が浮かび上がるのだった

美「囚われていた、神さま……」
 無論、お輪その人である
 自分たちも死んだのかと見まごうような光景に、美月は目を奪われる
 そうして、泥だらけの頬、擦り傷だらけの身体で不思議なものを見た
 どういうわけか、その女神の腕が抱いた、丸い赤ん坊の姿である
美「……あかちゃん……?」
 答えるかのように、おぎゃあ、と泣く
 その餅のような頬を撫でて、お輪はくすりと笑う
お輪「いいコだね……ありがと、もう大丈夫よ」
 凛と根を張って空に伸びてゆく向日葵のような声だった
 彼女にそう、お礼を言われたその瞬間だ
 どうしてだろう、美月にはもう二度と、父親は帰ってこないのだと、はっきり告げられたような気分になった
 赤子の泣き声が巨大な鐘のような音で、脳裏に響く
美「ああ、パパ……」
 虚空は討ったのだ
 自らの命と引き換えに、朱点童子を
 ひとりで戦い、勝利し、そして、見事呪いを解いて見せたのだろう
 己の命と引き換えに、だ
 改めて、ようやく、終わりが訪れたのだ
 琴の弦が切れたように、美月はその場にへたり込む
 目の端から伝うのは、悲しみの涙である
 命の花を咲かせるように、雫は地獄の土を濡らした
 そんな美月の肩に、烈が手を置いた
烈「美月」
 烈は感情の流れを精一杯塞き止めているような声色だった
烈「まだまだ、終わらないんだ」
美「え……」
烈「虚空さんは一年数ヶ月の人生で、これからの僕たちを救ってくれたんだから」
 烈の言葉が、美月の空っぽの心に染み入る
 赤ん坊の泣き声が、かすれてゆく
烈「呪いから解き放たれた僕たちは、五年、十年、二十年も生き続けるんだよ」
 俯いていた美月は顔をあげて、烈を見つめる
 烈の壮健な眼差しは、まるで何の後悔もないようで、清々しく思えた
美「そんなに、長く……」
烈「どんなに怖くても、それが僕らの使命なんだ」
 烈は訴えるように熱っぽく語る
烈「これから僕たちは、ようやく、人間の生を手に入れるんだ」
美「でも、パパは、もう……」
烈「虚空さんだって、そのお母さんだって、そのまた親だって、ずっと同じことを望んで、そうして、生きてきたんだよ」
 両肩に置かれた烈の腕は、痛いほどに力強かった
 それはまるで彼の生の息吹のようだった
美「そっか……」
 美月は俯いたまま、つぶやく
美「頑張って、生きていかなきゃいけないんだよね」
烈「うん」
 烈がはにかんで白い歯を見せると、まるで雨降り前の濃い雲の切れ間から、光が差してきたような気がした
 そこで美月は近くに左京が立っていることにも気づいて、視線を転じる
美「美月、お父さんがいなくなって不安だけど……頑張る」
 そう、若干胸を張って言ってみた
 強がりも、強さのひとつ
左「ああ……まあ」
 左京は美月の隣にしゃがみ込みながら、頭をかく
左「言いたかったことは……全部、烈に言われちまったけど……」
烈「あ、悪い」
左「……いンや、まあ……その、なんだ、美月……」
 左京が手のひらを開くと、そこには古めかしく、赤く汚れた指輪が乗せられていた
美「これ……」
左「多分、父さんのだと思う……」
 落ちていたんだ、と左京は指差して言う
 そこはまさしく、虚空が最後に当主の指輪を放った場所のような気がした
左「父さんも、母さんも……いなくなったけど、消えたわけじゃないんだ」
 美月が落ち着くのを待っていたのだろう、左京は葉に落ちるお雫のような声でささやいた
美「……」
 左京は美月の幼い手に、その指輪を握らせる
左「きっと、いつまでも、壬生川を見守っていてくれているさ……不安なら、ゆっくり眠れるようになるまで、家族三人で、支えありゃいいさ……」
美「……うん、ありがとう、お兄ちゃん」
 美月は指輪を抱くように胸元に当てて、口元を引き締めた
 血と汗に汚れた、人間臭い笑みに、左京もまた満足そうにうなずく

 落ち着きを取り戻した三人に、お輪は再び歌うように告げた
お輪「ほら見て、この子、誰だかわかる?」
 烈も左京も気づかない
 ただ、邪気のない目をしていた美月だけが正体に気づく
美「え、まさか……それって……」
お輪「そう、あの子よ! これなら 神様も気づきゃしない、それに母親の元へ、帰るのを、誰も止められやしないよ」
 朱点童子・黄川人の生まれ変わりだ
お輪「それでも、ウダウダ、難癖つけるようなら……あたしが、神様のケツに、一発ずつ、蹴りィ入れてやる!!」
 烈や左京もようやく思い当たったようだったが、それでも彼らは平穏の風に包まれている
お輪「……もういいのよ、みんな、チャラでいいのよ……だって、ほら、うふふ……こんなに、かわいいんだよ!」
 再び泣き出す朱点童子・黄川人を、お輪は抱き揺らす
お輪「おぉ、よしよし、いい子、いい子……直に、母さんのところへ、連れてって、あげるからね」
烈「性根から、しっかり鍛え直してもらいなよ」
 烈がくすぐったそうに笑う
左「しかし、残ったのが俺たちでよかったな……母さんや父さんがいたら、三味線にされているところだぞ……」
 そのふたりの軽口に、心なしか赤ん坊の泣く勢いが増したような気さえする
美「今度はちゃんと、幸せになってね」
 美月が凪の海よりも穏やかな声で、微笑む
 頼るべき当主を喪った三人に、お輪は優しく告げる
お輪「悲しまなくていいのよ、子供たちが、ひとりでしっかりと、歩いて行くのが、確かめられれば……人間は、いつだって、死を、受け入れられるんだから」
 そうだ、お輪もまた、壬生川家の血筋に連なるものなのだ
お輪「そりゃ、血を分けたおまえたちの、行く末を、ずっと見ていたいけど……それは、誰にもできない」
 お輪は悲壮感のある表情を拭い去り、晴々しく笑う
 時が来たのか、あるいは壬生川を流れる神の血が少しずつ薄れていっているからか、お輪の身体はなぜだかかすんで見えてきた
お輪「でも……あたしは信じているわ! おまえたちなら、どんな悲しみも、必ず越えてゆく!」
 三人は互いに顔を見合わせた
お輪「大丈夫!」
 美月がうなずくと、烈や左京もまた、しっかりとうなずくのであった
お輪「おまえたちの、子供たちも、その子供たちも……大丈夫よ!」
 お輪の姿が見えなくなり、それとともに、背中を押すような声が響く









 「元気でね!」
 










 三人の帰り道は、鬼の一匹も現れなかった
 朱点童子が滅びたからか、あるいは他のなにかの力が働いたのか、それはわからない
 三途の川を渡るのには少々苦労したが、ようやく、黄泉坂まで辿り着いたところだ
烈「これから、何十年か……実感、ないなあ……」 
 ため息のようなつぶやきを、左京が拾う
左「……なにか、やりたいことはないのか」
烈「そうだな、とりあえず、京都自警団に身を置こうと思うよ、地獄巡りの鬼はいなくなっても、都の周りはまだ安心できないだろうし……左京は?」
左「俺は……とりあえず、しばらくは寝ていたい」
 完全武装の烈とは違い、もう必要はないだろう、と鎧を地獄に置き去りにしてきた左京は、薙刀すらも重そうだった
烈「左京らしいや」
 緊張とやる気が枯れたらしき左京に、烈が笑う
左「ま……三年ぐらいは」
烈「長すぎじゃないかな! 壬生川のご先祖さまたちの人生分を寝て過ごす気か!」
左「……すごい贅沢だろ?」
烈「贅肉もすごいことになりそうだね、ていうか崇り殺されるよ」
左「……ご先祖さまが、そんなに狭量なわけがない」
 左京はあくびを噛み殺しながら、そう漏らす
 美月はふたりのあとをゆっくりと追いながら、たびたび手のひらの指輪を見つめていた
 思いを巡らせていた
 七月のあの紫色の空気に包まれた墓地で
 父親に言われた言葉を
美「……屍を……越えて」 
 そんな折、ついに坂の上から差し込む光が見える
烈「やった! 出口だ!」
左「おお……眩しいな」
烈「本当に、もうずっと長い間地下にいたみたいだよ……ほら、美月も、早く」
美「あ、うん」
 烈に手を引かれて、美月もまた駆け出す
 外から注ぐ日差しは力強く、真昼のようだった
 引っ張られながら、余韻のような思いに惹かれて、美月は振り返る
 そこには、光に縁取られた人影があった
 見る見るうちに遠ざかってゆく光に、美月は手を伸ばす
美「(まさか……パパ……?」
 根拠はないが、美月はそう思い当たったのだ
 光は、地獄に浮かぶ光は、手を振ってくれているようにも見えた

 余の屍を、越えてゆけよ

 虚空が言っていた言葉が、脳裏に浮かぶ

 パパ

 最後まで自分たちを見守ってくれていたのだ
 
 美月は去りながら、大きく手を振る
美「パパ……ありがとう……もう、大丈夫!」

 父親が、なにかを言ったような気がした
 だが、もはや神の力を持たぬ美月に、その声は届かない
 
 だから美月は、精一杯の笑顔に涙を浮かべながら、叫ぶ


美「お世話になりました! ありがとう!」


 別離の言葉を感謝の念に乗せて
 美月は、光の世界へと帰ってゆく



 

 


 壬生川の守った都へと、帰ってゆくのだ






















                              花 - 作詞:樹原涼子 作曲:樹原涼子






[源太] 剣士
???~1017年12月                 花 花 どんな花

奥義“源太両断殺”を創作
奥義“真空源太斬”を創作
石猿田衛門を打倒

                                こぼれるように 咲き誇る

[お輪] 薙刀士
???~???

石猿田衛門を打倒
                                花 花 どんな花


[玄輝] 剣士
1017年?月~1019年2月

初代当主に就任                      匂い優しく
七天斎八起を打倒



[伊織] 薙刀士
1018年?月~1018年5月                



[臥蛇丸] 薙刀士
1018年8月~1020年3月               森の小道に 川のほとりに



[夏海] 剣士
1018年9月~1019年9月
                             それとも 誰かの庭に咲く 一輪の花


[のの香] 弓使い
1018年9月~1020年3月

                               それとも 花籠に 束ねられて

[幸四郎] 剣士
1019年2月~1020年9月

第二代新当主に就任
奥義“疾風剣幸四郎”を創作                 
8回夏の選考試合で第三位



[巻絵] 薙刀士                       うつろいやすく はかない生命
1019年7月~1020年11月



[佐和] 弓使い
1019年9月~1021年4月               それぞれに美しく

奥義“連弾弓佐和”を創作



[初子] 槍使い                       誰のためでもなく
1020年1月~1021年9月

第三代新当主に就任
7回夏の選考試合で優勝
9回春の選考試合で優勝
                                ただひたすら


[蘭] 薙刀士
1020年6月~1022年1月

第四代新当主に就任                   咲いて 咲いて
奥義“双光蘭斬”を創作
朱点童子を打倒



[夢見] 弓使い                       散るまで 咲いて
1020年9月~1022年3月



[以蔵] 槍使い
1020年12月~1022年8月                

第五代新当主に就任
10回春の選考試合で優勝
歓喜の舞4体を打倒
                                花 花 どんな花


[鈴鹿] 薙刀士
1021年4月~1022年6月

                                匂いたつほど 麗しく

[門司] 弓使い
1021年8月~1022年6月


                                花 花 どんな花
[伽子] 槍使い
1021年12月~1023年6月

第六代新当主に就任
奥義“伽子大風車”を創作
九尾吊りお紺を打倒                    心やさしく



[英雄] 薙刀士
1022年4月~???
奥義“英雄猛毒刃”を創作                  



[翠] 大筒士
1022年7月~1023年10月              比べないで ほかの誰かと

第七代新当主に就任
奥義“翠鉄砲水”を創作
9回夏の選考試合で優勝

                                 それぞれに美しく

[力斗] 剣士
1022年11月~1024年5月


                                 誰のためでもなく
[道明] 薙刀士
1023年2月~1024年9月

第八代新当主に就任
奥義“道明鏡返し”を創作
10回夏の選考試合で優勝                ただひたすら



[貞光] 大筒士
1023年5月~1024年12月
                                 咲いて 咲いて


[柚子] 壊し屋
1023年11月~1025年7月

第九代新当主に就任                    散るまで 咲いて
奥義“柚子大地震”を創作
奥義“悶絶柚子圧”を創作



[瑞穂] 薙刀士
1024年1月~1025年8月
四ツ髪を打倒



[ほたる] 弓使い                      花 花 どんな花
1024年4月~1025年11月

第十代新当主に就任
奥義“ほたる地獄雨”を創作
奥義“ほたる貫通殺”を創作
                                 匂いたつほど 麗しく


[竜子] 拳法家
1024年11月~1026年4月

奥義“百烈竜子拳”を創作                 花 花 どんな花
奥義“流星爆竜子”を創作
奥義“竜子金剛変”を創作



[月見] 薙刀士                        心やさしく
1025年2月~1026年4月



[虚空] 槍使い
1025年6月~1026年8月                  

第十一代目新当主に就任
奥義“無敵陣虚空”を創作
奥義“虚空落雷撃”を創作
                                  花 花 どんな花
                                  

[烈] 剣士
1025年11月~

奥義“烈燕返し”を創作                    あなたらしく 咲き誇って
鳴神小太郎を打倒                        



[右京] 薙刀士
1026年2月~                         花 花 どんな花
                                  


[美月] 弓使い
1026年4月~





                                   生命 燃やして
                                 
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by RuLushi | 2009-10-05 00:09