ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
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近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
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2006年 10月 28日 ( 1 )
1026年 4月第4編
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<三途の川>

 船で三途の川を進んでから数分後、虚空が酔った
虚「ぐぅぅ……なぜ、なぜ揺れるのだ、船よ……憎い……」
 青ざめた顔を船のふちから出して、思い出したように怨念を吐いていた
 その背を揺すりながら、月見が心配そうに付き添う
月「ちょっとぉ、大丈夫ですか? お水飲みます?」
虚「……むぅぅ、こういう役割は……本来は、そなたや意外性のある竜子じゃろう……なぜ、余が……」
 よく分からないことを言い出した
 と、船頭がおもむろに首を180度回転させて、こちらを振り返ってきた
竜「な、なに」
 さすがに驚いた竜子に、四角い口を開く
船頭「どちらに落ちたいデスカ? 氷雪針地獄? ソレトモ、血の池地獄?
竜「どちらかに落ちないと、いけないのね?」
 船頭は答えない
月「じゃあ血の池地獄がいいです!」
 月見が元気よく手を挙げた
虚「ま、まて……月見、もしや、池とついているということは、また船の可能性も……」
月「血の池地獄です! だって氷雪針地獄なんて、氷に雪に針ですよ、冷たいのと寒いのと痛いのがいっぺんにやってくるんですよ!」
虚「わ、分かったから、揺する、な……」
 そういうことに決まった、夫婦の愛が通じたのだと月見は思う
 その瞬間、三人の乗っていた船が消え、足元に黒い穴が空いた
月「へ」
 一同は先ほどまで川のあった場所に、どこまでも落下していくこととなった
 
 
 薄れる意識の中で声がする
 「これから君たちが渡る真っ赤な水たまりが血の池サ、橋の中ほどで色っぽいお姉さんが、熱烈な歓迎をしてくれるはずだ
 色っぽいお姉さん、熱烈な歓迎
 「あんな柔らかい腕を巻き付けられたら、たいていの男は我慢できずに一発で天国行きサ
 たいていの男は……
 「おや? 地獄から天国に行けるなんて、儲けモンかな? アハハハ…
 天国に……
 
月「許しませんよ!?
虚「うおう」
 月見は寝起き様に、近くで座っていた虚空の頬をわしづかみした
虚「な、なんひゃ!」
月「あなた、浮気はダメですよ、ボク泣きますよっ」
 虚空の目の色が変わったのを見て、月見は引っ張った頬をバチンと離す、しばらく虚空が痛みにもんどりうった
竜「月見も聞いたのね、朱点の声」
月「朱点の声……? はっ」
 月見が辺りを見回すと、景色は一変していた

<血の池地獄>

月「って……うわ、この臭い」
竜「血の池地獄って言うからには……やっぱり、それでしょうね」
 薙刀を拾って起き上がり、顔をしかめる月見
 相翼院のように島と島が桟橋で繋がれているが、一番の違いはその池の色だ、もちろん名の通り毒々しいまでの赤である
 そして、漂ってくるのは、むせ返るほどの死の臭い
月「う、今度はボクが気持ち悪くなってきました……」
虚「かかかか、情けないな月見!
 先ほどの仕返しにと月見の髪を引っ張りながら、虚空が起き上がる
月「痛い痛い、うわ元気になってます」
 朗らかに笑う虚空は地面を踏みしめながら、何度もうなずく
虚「まったく、地に足がつく、というのはすばらしいことじゃ、誠に良い言葉じゃ、やはり壬生川は足元を固めて生きていかねばならぬ」
月「はいはい、分かりましたから行きましょう」
 髪をえいっと奪い返しながら、最近月見も覚えてきた、なにやら良いことを言っているように見えて、虚空はその実かなり適当に生きている
虚「うむ」
 それはそうと満足げにうなずく当主、三人はまた歩き始める
 今居る場所は、血の池地獄の1界という場所らしい
月「何界まであるんでしょうね」
 周囲から沸き立つ臭気に嫌な顔をしながら、月見
竜「それは分からないけれど、どこかで朱点の手の者は現れるでしょうね」
虚「色っぽいお姉さん、と称しておったな」
月「……男の人はお好きですものね、そういうの」
虚「その目はやめんか!w
 騒がしく、血の池地獄を進んでゆく
 その途中にいくつか宝を見つけ、用心深く<光無し>を使用して開けてみたが、時登りの笛は見つからなかった
竜「いよいよ時間が迫ってきているわね……」
 2界に突入し、ある程度進んだところで、ようやく初めて見る敵が現れた
 尻子玉大将の色違い、軽快な動きの赤い河童である
月「強いんでしょうか、あれ……」
 声をひそめる月見の前に、竜子が進み出た
竜「さあね、<野分>」
月「早っ
 まともに戦う気などゼロである
 河童が次々と血の池に吹っ飛ばされてゆく、なんて身も蓋もない術なのだろう
虚「今は何よりも時間が惜しいからのう」
月「いつまで続くんでしょうね、血の池地獄は」
虚「あまり長居したい場所ではないな、少し辛い」
月「えっ、あなたにもそんなデリケートな部分があったんですか!?」
 本気で驚いている
虚「当たり前じゃろう、竜子であるまいし」
竜「……まあ、平気だけどね」
月「お姉様の場合はほら、そういうの屈強な精神の為せる技なんですよ」
虚「余の場合は何じゃろうか」
月「単純、ほら、クワガタさんですし
 瑞穂みたいな顔だと、虚空、竜子は思う
虚「酷いな、余の愛が伝わっておらんのか」
月「ちょ、やり返したいからって、そういうこと言い出すのは卑怯ですよっ」
虚「何がだ、やましいことなど何もない」
月「ってお姉様どうして離れていくんですかぁぁ」
竜「……うすら寒くて」
 体を震わせて、自らの両腕を抱く
虚「儂らの傍にくれば暖かいぞ、燃え盛っておるからな」
竜「今度は気持ち悪くなってきたわ、私も血にあてられたかしら」
 それにしても緊張感がない
 沈黙はそれほど長く続かない、やりこめられていた月見が声を上げた
月「あ、でもここ終界って書いてますね、三番目で終わりなんですね」
竜「そうね、<野分>」
 瞬く間に半数の鬼が消える、それでもまだ多かったので、竜子は再び<野分>を唱えた、消費技力は一回たったの14、実に経済的だ
月「それにしても、左京はともかく、烈くんは怒ってますよね、何も言わずに置いてきちゃいましたし」
虚「家に凱旋したら、刀を持って襲い掛かってくるやもな」
月「そ、想像しがたいですね……」
 そんなことを言い合いながら、三人は開けた場所に出た
 墨の壷と書いてある小さな島がひとつあり、橋はそこで終わっているようだ
月「何かあからさまに、確実にボスですよね」
竜「色っぽいお姉さん、ね」
 一同が進むと、足元がわずかに揺れてきた、どうやら振動は池の中から伝わってくるようだ
 水面に赤い泡が浮かんだ
虚「何か出るぞ、伏せろ!」
 血飛沫が巻き上がった
 屈むのが一瞬遅れた月見がまともに血を浴びて、その場にくるりと倒れた
 血の池の中から浮上してきたのは、屋敷ほどある巨大などくろであった、その眼孔や耳孔から奇妙な赤い触手が伸びている
竜「何……?」
 どくろの金色の目玉が、ぎょろりと三人を睨む
 中から出てきたそれは、虚空や竜子が自分たちが小さくなったのではと錯覚するほどに、あまりにも大きなタコであった
 

<大八手戦>

月「ぺっぺっ、うー、血が口に入ってぇぇ」
 顔をしかめながら、月見が起き上がる
 グロテスクな八本の触手を蠢かせながら、大八手は先手に術を唱えてきた、<夢子>という命中率を下げる術である
竜「……地味だけど、やられると困るわね、<仙酔酒>!」
 竜子の後に、月見と虚空が同時に<石猿>を使う、なるべくなら道具は抑えて仕留めたい
 大ダコの腕が<梵ピン>を唱えていた竜子の生足に巻きついた
竜「ん……っ」
 そのまま一気に逆さ吊りに持ち上げ、空中で何度も振り回してくる
月「ああっ、お姉様っ」
 月見が薙刀で触手を何度か斬りつけるが、大八手は竜子を掴んで離さない
竜「大丈夫……攻撃力は、低いわ」
 腕を殴打して逃れようとするが、弾力のあるそれはいとも容易く拳を跳ね返した
月「ちょっとあなた、このままじゃお姉様があられもない格好に……」
虚「分かったから、あんまり嬉しそうに言うな」
 抗弁してくる月見を後ろに置いて、虚空は駆け出す、目標は頭だ、そこが一番脆そうだ
竜「く……屈辱……」
 腕は竜子の体を縛り上げながら、その巻き付けを徐々に強めてゆく、竜子は身動きが出来ずに顔を真っ赤にしていた
虚「サービスのつもりでそんな格好か、太っ腹じゃな」
竜「……」
 川に浮かぶ大ダコに虚空が飛び乗った、後方から月見の力士水の効果が届き、その槍が風を巻き起こす
虚「豪槍山嵐ッ」
 竜巻のような一撃が大八手の脳天をねじり回した
 墨を吐きながら叫ぶ大ダコであったが、意地でも竜子を離さない、それどころか先ほど以上に強く振り回すこととなった
竜「……もういいわ」
 血の気の失せた顔と扇情的な格好をしていた竜子が、そうつぶやくと、直後に巨大な爆発が竜子を襲った
月「え、ええ!?」
 右手が真っ黒に焦げた竜子が、腕の縛りを解いて島に着地した
 竜子を巻き上げていた大八手の腕から、焼けた肉の匂いが漂ってくる
竜「あの距離で<七天爆>を浴びれば、たまらないでしょうね……」
 そう笑う竜子、ほぼ相打ちのはずなのに雰囲気は勝者のそれだ
虚「腹減ってきたな」
 タコの腕をかわしながら突き続ける虚空が、そんなことをつぶやく、新鮮な焼きダコの匂いがしている
竜「<梵ピン>……月見、やってしまいなさい」
 衣服を整えながら、竜子が命じる
月「はい!」
 奥津ノ薙刀から放たれた斬撃が、弱った大八手にトドメを刺した
 
 
 再び大量の経験点を得た三人は応急処置を済ませ、黒い霧になって消えてゆく大ダコを背に、前へと進んだ
 すぐに、更なる地下へと続くであろう深い穴を発見する
月「また落ちるんですね……」
竜「そうみたいね」
 げっそりとつぶやく月見に、竜子がうなずいた
虚「もう時間的な余裕はないな、これからより一層急がねばならんようじゃ」
月「外は今、昼なんでしょうか夜なんでしょうかね」
 もう何ヶ月も地獄に居るような気がする
 一同は桟橋の中央に空いている暗闇に落ち、新たな地獄を目指した


 残る時の火は、あと四つ
 

=第5編へ=
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by RuLushi | 2006-10-28 00:00