ルル師のRPプレイ日記=俺の屍を越えてゆけ編(PSP版)=
mibukawa.exblog.jp
近代ゲームの語り部です。 PSソフト"俺屍"ブログ、リセット禁止でやってました。11/11/24より、PSP版俺屍プレイ日記始めました。今度は5年もかからなければいいな、と思います。
ブログパーツ
カテゴリ
=荒神橋家私書箱=
最新の記事
初めましての方へ/トップ
at 2014-12-31 17:42
1019年12月前編
at 2012-10-30 09:02
貞光とほたる
at 2012-09-09 04:59
1019年11月第9編
at 2012-09-03 07:56
1019年11月第8編
at 2012-09-01 11:49
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
2006年 10月 27日 ( 1 )
1026年 4月第3編
 =第1編へ= =第2編へ=


 最後の迷宮「地獄巡り」を攻略するにあたって、御三家が定めた鉄則はふたつ
 ひとつは、烈を外した三人きりで攻め入ること
 ひとつは、この一ヶ月の間に、攻め落とすこと

 復興支援の途切れた京の都に漢方薬は乏しく、低下した烈の健康度を万全に戻すことは出来なかった
 屋敷で最大値より大幅に下がっている体力などの能力は、例え戦場に出て養老水を使い、健康度を回復させたとしても、元には戻らない
 そして若武者の完治や左京の成長を待たず、後者を強行したのは、竜子だ、竜子には4月以内に何としてでも出陣しなければいけない理由があった
 地獄の穴と呼ばれる赤い印、ここから悪鬼が涌き出てきたのだろう、その中央にある階段の前で、竜子は立ち止まる
竜「ちょっと待って、飲んでからゆくわ」
虚「ああ」
 手甲を脱いで、竜子は腰に下げた道具袋から粉薬を取り出す
月「お姉様、お水です」
竜「ありがとう」
 月見から水を貰い、薬を飲み干す
 竜子の寿命が近い、恐らく天命は来月か再来月まで
 この戦いは夫婦にとって、姉の命を救う戦いでもあった
竜「お待たせ」
 バサラの拳を装着し、竜子が休んでいた虚空に告げる
虚「では行くか」
月「はい」
 未知の場所に入るという緊張感が、三人の間に走った
 まるで本当に地獄まで続くのではないかというほど長い階段が、一同を出迎えた
 
 
虚「あやつめ、出だしから意地の悪い男じゃ」
月「帰りとか、想像したくないですね……」
 この長さを登るのかと思うと、進む気が削がれてくる
 長く長く下りたところは、土と岩がむき出しの牢屋のように無骨な小部屋であった
 虚空が一歩足を踏み入れた途端に、あの声が聞こえてきた
 
 「大江山で鬼の朱点に敗れた屈強な武士の数は知れず……彼らを神は見放した
 姿は見えないが、確かにあの男の声がする
 「なのに力もないはずの赤子になぜ救いの手を差し伸べたのか、不思議に感じたことはないかい? つまり君たちの始祖だけがなぜ特別扱いされたのか……神の気まぐれ、それとも同情? いいや、違う……
月「そんなの、ボクたちがトクベツだからですよ!」
 売り言葉に買い言葉、月見が叫ぶと声が反響した
 「……次の機会に秘密を教えてあげるよ、時間はたっぷりある、ゆっくり答えを考えるといい
 拭い去りようのない胸騒ぎを残して、朱点童子の気配が消えてゆく
虚「……ここからが、地獄か」
 虚空のつぶやきを竜子が拾う
竜「鬼の呻きや呪詛が、他とは比べ物にならないわね」
 耳障りな雑音が四方八方から、頭の上からも地面からも染み出してくるような気がして陰鬱になってくる
竜「朱点の庭、風光明媚な場所だとは思っていなかったけれど……」
月「山も川もあって景色は折り紙付きとか言ってたくせに、何が折り紙ですか、地獄草紙がいいところですよ」
 平安時代に地獄について書かれた書である
虚「巧いことを言ったと思うな」
 しゃがみ込んで携帯袋を漁りながら、冷たい声で水を差す
月「……て、何しているんですか」
 少し盛り下がる月見
虚「おぬしらは今のうちに休んでおけ、ここから先は恐らく歩き通しじゃからな、余は忘れ物がなかったか再確認しておく」
 あ、じゃあお願いしますね、と壁にもたれて休む竜子の傍に寄っていく月見


 携帯袋(30/30)
 養老水7つ、神明丹4つ、七光の御玉2つ、有寿ノ宝鏡1つ、万金露3つ
 仁王水3つ、力士水7つ、引波の御守1つ、神仙水1つ、そして朱の首輪1個

 大甘露は使いきってしまった、時登りの笛が無いというのが不安ではあったが、様々な神の話では地獄巡りの内部に秋の枯れ葉ほど落ちているとか
虚「こちらは済んだぞ、って何をしておる!?」
 見れば、月見が竜子の横髪を両房、自分と同じようにツーテールにして遊んでいた
月「は」
竜「……」
 腕組みして黙って目を閉じている竜子、何があった竜子、妙に機嫌が良いのか単に相手をするのも面倒なのか
月「でもボクみたいにくせっ毛じゃないから、持ち上がらないものですね……」
虚「では、頼んだぞ竜子」
竜「ええ」
 月見が結んだ髪を一撫ででほどく竜子、それを見て「ああっ」とか「羨ましいっ」だとか声がする
 それから、壬生川一の術士は順々に歌を詠む、<速瀬>と<みどろ>
 地獄を一ヶ月で制覇するためのカギは、竜子と神明丹であった
 
 
<黄泉坂>
 
 細く長い一本坂を有寿ノ宝鏡で照らしながら、三人は駆ける
 その途中に鬼を見つけて、虚空は拍子抜けしたようにつぶやいた
虚「なんじゃ、あれは無限鳥居にいた飛空大将ではないか」
月「そう、みたいですね」
 不意の接触により交戦となれば、やはりその正体も飛空大将であった
虚「こんなところで時間を潰すわけにはいかんな」
 瞬殺し、槍を青鬼の体から引き抜きながら漏らす虚空の前で、竜子が聞いたことのない術を唱え始めた
竜「吹き飛ばす・鬼は黄泉路の・たびのわけ……」
 わずかに風が流れたように思えた
 顔を上げれば、先ほどまでひしめいていた鬼たちは、いまや数をその半分としていた
竜「<野分>、鬼を暴風で押し流す術……何で説明しているのわたし」
虚「おお、そういえば余も覚えておったが、そんな術であったか」
竜「……」
 見れば、一本道がずいぶんと通りやすくなっている
月「でも、消えた鬼はどこまで行ったんでしょうか、明らかに先の方には居ませんよね」
虚「壁の中にでも飛ばされたのではないか」
月「ええ!?w」
 一族は<寝太郎>で鬼たちの動きを止めながら、足早に黄泉坂を下りきった
 
 
<賽の河原>

 坂を抜けると、そこは一面広々と川が横たわっていた
 砂利だらけの河原の先も、三途の川の果ても、共に霞んで見えない
虚「川、か、渡るしかないのかのう」
月「ここに居る敵を全て倒したら橋が出現! とかだったら激しく腹立ちますね」
虚「それは困り果てるな」
 自らの<白鏡>と<黒鏡>を覗いていた竜子が、怪しい影を見つけて声を上げた
竜「どうやら、桟橋があるようね」
虚「ほう、渡しが居れば良いが」
月「どこの地獄に渡し舟があって、船頭さんがのんきに居るって言うんですか」
 居た
 笠を被った婆が三人の姿を見つけて、気味の悪い声で笑う
婆「ヒヒヒ……来たね、おまいさんたち
月「えー……」
 渡る手段が見つかったというのに、心外そうな声を出す
 小船に乗っていた船頭が、物言わぬ目でじっと一同を見据えていた
虚「この船に乗れば、朱点の元に行けるのじゃな」
 死臭漂う婆はねめつけるような目で虚空を見た後、かけた歯を剥き出しにうめく
婆「三途の川を渡りたきゃ、命かお宝置いてきな
虚「命か、誰の分でも良かろうな」
 虚空の言葉に、婆が粘着質の笑いを見せた
虚「ならばそなたの命を頂くぞ」
 槍を婆に向けて、虚空は告げた
 ガラが悪いですよあなた! などと後ろから聞こえる
婆「さすが生きたまんまこんなところへ来るだけあって、欲の皮の突っ張ったヤツじゃ
 婆の図体から殺気が吐き出された
 

 相手は脱衣婆と三途の渡しの二体だ
月「ちょっと、船頭さんまで相手なんですか!?」
 後列に下がりながら月見が叫ぶ
虚「殺さなければ良かろう、手加減せいよ、特に竜子な」
竜「……善処するわ」
虚「おいッ」
 初回から<梵ピン>を唱える竜子に対して、婆は<矛折り>で迎えた
婆「ヒヒヒ……醜女が、いい気になるのではないぞ
 いやらしく笑う婆を見て、竜子のこめかみに血管が浮かぶ
竜「……ウフフ」
虚「殺すのではないぞ!?w」
 虚空が慌てて、再三に釘を刺す
 三途の渡しの攻撃力は高く、狙われた月見が重そうに受け止めていたが、それだけでは決して臥家の達人は倒れない
月「力士水節約のため、斬ります!」
虚「わざわざ言わんで良い!」
 月見の奥津ノ薙刀が船頭を切り裂くと、続けて虚空が横一列貫通攻撃により、二体まとめて大ダメージを与える
 一方では竜子が<梵ピン>を囁き、婆が<みどろ>をがなると、竜子が<速鳥>を歌い、さらに<梵ピン>を放つ
竜「……朱点の犬の、餓鬼風情が」
月「お姉様、口元笑ってますよ!w」
 隣から来る重圧に耐え切れなくなった月見が突っ込む
虚「よし、こちらは片付いた」
 穂先に刺さった船頭をゴミのように捨て、虚空は次なる獲物を睨む
 脱衣婆は焦れながら<春菜>を使い出した
 そこに三人の猛攻が畳みかかる、老躯は為すすべもなく沈む
 
 
 戦いが終わった直後、三人のふところに、10500点もの奉納点が転がり込んできた
月「うわ、経験値が凄い!」
 思わずはしゃぐ月見の横で、参った参ったと白旗を上げていた婆が笑う
婆「ヒヒヒ…さあ、お乗り、ただしこの渡しに戻り船はないよ
竜「元気そうじゃないの」
 竜子が手刀で脱衣婆の首を飛ばす、月見が悲鳴のようなものを叫んだ、それでもまだ笑っている首だけの鬼を見て、竜子は舌打ちした
 虚空が倒れていた船頭を力ずくで引きずり起こす
虚「早く漕げ」
月「ふたりとも、どっちが鬼ですか!?w」
 三人の中で唯一の良心が声を張り上げた
 船頭は無表情で船に乗り込み、櫓を取る
竜「まずは第一関門通過、と言ったところね」
 一個目の神明丹を小船の上で食みながら、竜子がつぶやく
 
 この時、時の火の三つ目が消えた

=第4編へ=
[PR]
by RuLushi | 2006-10-27 00:00